2026年9月27日|世界タイトルマッチ結果
TOYOTA ARENA TOKYOで開催された世界タイトルマッチの結果を記録します。
各試合の結果と、SOARBOXING会長・井上の視点。
世界タイトルマッチ4試合
2026年9月27日に行われた世界タイトルマッチ4試合の結果と、SOARBOXING会長・井上の技術分析を掲載しています。
井上拓真 vs 那須川天心
結果:井上拓真が3-0判定勝ち(114-113、116-111、116-111)
12ラウンドを戦い、WBC世界バンタム級王者・井上拓真が
那須川天心との再戦に判定勝ち。
再び那須川を退け、王座を守りました。
SOARBOXINGからのコメント
やはり今回も井上拓真の対応力の高さが目立った試合だったと思います。
那須川天心は1ラウンドからノーモーションのジャブを使い、
序盤には実際に当てる場面もありました。
しかし拓真はその後すぐに対応し、ジャブをかわしながら左フックを合わせるようになっていきました。
7回には那須川天心がギアを上げ、ワンツーを当てて井上拓真からダウンを奪いました。
立ち上がった井上に対して那須川がさらに追撃し、再び左を当てて井上がバランスを崩す場面もありました。
このラウンドは那須川の大きな見せ場だったと思います。
ただ、今回あらためて感じたのは那須川の打たれ強さです。
7回にダウンを奪った後も、その後は井上の右ストレートや連打を受ける場面がありましたが、
大きく崩れることなく最後まで戦い続けました。
前回よりも接近戦で打ち返す場面も増えており、
那須川自身も前回の敗戦から修正してきた部分はあったと思います。
それでも接近戦では、井上拓真が一枚上だったように見えました。
ダッキングでパンチを外し、体を起こしながらパンチを返す。
この一連の動きが非常に速く、接近した状態でもしっかり体を使ってパンチを打てていました。
那須川も打ち返していましたが、近い距離ではやや手打ちになる場面がありました。
一方の拓真は体を使ってしっかりパンチを当てており、
同じようにパンチを交換していても、見た目の有効性では拓真のパンチの方が上だったと思います。
また拓真の大きな強みは、パンチを打った後の動きです。
打って終わりではなく、すぐに頭の位置をずらし、体を動かして次の攻防へ移る。
パンチそのもののスピードだけでなく、
攻撃後の頭や体の動きまで非常に速かったのが印象的でした。
那須川も非常にスピードのある選手ですが、
今回はこの「パンチを打った後の動き」という部分で、
井上拓真についていけない場面があったように感じます。
パンチ力、有効打、接近戦、そして試合中の対応力。
総合的に見ると、今回も井上拓真が上回った試合だったと思います。
那須川天心にとって井上拓真は、非常に相性の難しい相手になっています。
ただ、今回の内容を見ると那須川自身も確実に成長しており、
相手が違えば世界王座を獲得できるだけの力は十分にあるように感じました。
西田凌佑 vs サム・グッドマン
サム・グッドマン 判定勝ち
12ラウンドを戦い、サム・グッドマンが判定勝ち。
西田凌佑はIBF世界スーパーバンタム級暫定王座獲得とはなりませんでした。
SOARBOXINGからのコメント
サム・グッドマンは強かったですね。
今回は技術だけでなく、勢いや気持ちの部分でもグッドマンが西田を上回っていたように感じました。
最後の最後まで自分から動き続け、終盤にはしっかり足を使って試合をまとめていました。
西田凌佑は、重心を浮かせずバランスを保ちながら、
大きく避けるのではなく細かくパンチを外し、
ブロッキングもしっかり使うのが持ち味の選手です。
ただ今回、頭をつけるほどの近い距離で打ち合う展開は、
グッドマンの得意な距離だったと思います。
西田が本来戦いたかったのは、そこからもう一歩ほど離れた距離だったのではないでしょうか。
しかしグッドマンは前へ出るだけでなく、途中では急に距離を取って戦う場面もあり、
距離の変化を使いながら試合全体をコントロールしていました。
リングジェネラルシップという意味でも、
今回はグッドマンに試合をかき回され、西田が自分の距離を作り切れなかった印象があります。
西田にもう少し欲しかったのは、フットワークのバリエーションです。
例えば松本流星が見せたようにサイドへ回る動きや、
頭をつけられたときにバックステップで一度距離を切る動きなど、
もう少し位置を変える選択肢があれば展開も変わった可能性があると思います。
また、西田の得意なブロッキングに対しても、
グッドマンはガードをずらしたり崩したりするようなブロックはがしをしてからの攻撃を見せていました。
西田の防御を研究していたのかは分かりませんが、
ブロックの上からではなく、ブロックそのものを崩して攻撃する場面が印象的でした。
そして何より、グッドマンの気持ちの強さが際立っていました。
西田のアッパーなどを受けても止まらず、そのまま自分の攻撃を続ける。
ダメージを気にせず前へ出る姿勢が、試合全体の流れにもつながっていたと思います。
今回の勝利で、サム・グッドマンがスーパーバンタム級の世界戦線で
さらに大きな存在になったのは間違いありません。
今後、井上尚弥との対戦が実現するのであれば、
井上がこのグッドマンの圧力と距離の変化をどう崩すのかは非常に興味があります。
坪井智也 vs リカルド・マラジカ
リカルド・マラジカ 判定勝ち
12ラウンドを戦い、リカルド・マラジカが判定勝ち。
坪井智也はプロ初黒星となり、世界王座獲得はなりませんでした。
SOARBOXINGからのコメント
1ラウンドの立ち上がりから、坪井智也がこれまで以上に強く前へ出ていったのが印象的でした。
その勢いもあって序盤から頭が当たり、坪井が出血。
「いつもの坪井とは少し違う入り方だな」と感じた人も多かったのではないでしょうか。
一方のリカルド・マラジカは、身長と長いリーチをしっかり生かしていました。
ジャブで距離をつくり、坪井が入ってくるところに強い右を合わせる。
特に終盤になると、ワンツーやフックが坪井をとらえる場面が目立ってきました。
坪井については、少し相手に打たせすぎたように見えました。
普段から得意としているボディへの連打も、左右の腕で連打することで一瞬ガードが下がります。
そのタイミングにマラジカがフックなどを合わせる場面があり、
こうしたところもポイントを失った要因の一つだったのではないかと思います。
また今回の試合では、リーチ差をどう埋めるかという部分で、
坪井の引き出しがもう少し必要だったように感じました。
踏み込んでジャブを当てる場面は序盤にありましたが、
ジャブの差し合いだけでなく、距離の詰め方や入り方に、
もう少し変化があってもよかったと思います。
アマチュア世界選手権を制した坪井ほどの選手でも、
プロの世界には体格、リーチ、距離感、戦い方の違うさまざまな選手がいます。
今回は、世界のプロボクシングの層の厚さをあらためて感じさせる一戦でした。
坪井にとっては非常に悔しい敗戦ですが、
この経験から距離の詰め方や攻撃の入り方の引き出しを増やすことができれば、
今後さらに強くなる可能性は十分にあると思います。
松本流星 vs ラッセル・アコスタ
松本流星 3-0 判定勝ち
115-113、116-112、118-110
松本流星がラッセル・アコスタとの12回戦を判定で制し、
WBO世界ミニマム級暫定王座を獲得しました。
SOARBOXINGからのコメント
松本流星にとって、かなり苦しい試合だったと思います。
ラッセル・アコスタの左フックと右ストレートが非常に良く、
松本がパンチを出したところにカウンターを合わせられる場面がありました。
特に序盤には、松本が左ボディを打ったところに左フックを合わせられる場面もあり、
アコスタのタイミングの良さが目立ちました。
ただ、松本流星の良かったところは、試合の中でしっかり対応していったことです。
途中から左手を高く上げて左フックへのガードを修正し、
アコスタのメキシカンらしい強い右ストレートにも後半は反応できるようになっていきました。
そして大きかったのがスタミナです。
苦しい展開の中でも最後まで運動量を落とさず、
後半になるほど松本の手数と動きが上回っていった印象があります。
圧倒的な勝利ではありませんでしたが、
試合中に相手の攻撃へ対応しながら12ラウンドを戦い抜いたことは、
松本流星の対応力と総合力の高さが見えた世界戦だったと思います。
過去の世界タイトルマッチ結果
国内で行われた世界戦の結果を開催日順に掲載しています。
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