ボクシング初心者が初めてジムで練習する際に用意すべき道具一式を、元プロボクサーが価格やポイント、注意すべき点、実体験などを含めて徹底解説していきたいと思います。
ボクシングをこれから始めたいと思っている人にも、具体的に初期費用としてどれぐらいかかるかがなんとなくわかると思いますので、ボクシングを始めるきっかけになれば幸いです。
ただ、ボクシングジムには以下の道具も常設物があり、基本的にはレンタルで対応できるものが多いです。しかし、新型コロナウィルスの対策が求められる昨今ですし、衛生面や精神面(モチベーション)を考えてもできるだけ体に触れるものはご自身のみで使うのがベストだとは思います。
代表的なメーカー
以下で、様々な道具の紹介をしてまいりますが、まず最初に代表的なメーカーの説明をしておきたいと思います。
Winning(ウイニング)
ボクシングでこのメーカーの商品を使って恥をかくことはまずないといえる、世界に誇る日本のボクシングブランド「Winning(ウイニング)」。
古めかしいホームページではありますが、1937年に設立されてから、日本だけではなく世界のトップボクサーにも愛用され続けている信頼のボクシングメーカーです。
WINDY(ウィンディ)
WINDYは、タイで作られている格闘技ブランドです。
ムエタイが国技の国で作られていますしモノは使いやすいです。日本ではキックボクシングのジムで使われている事が多いように感じます。ただ、タイはムエタイが国技といってもボクシング(国際式とも呼ばれています)も盛んですので、ボクシングの世界でももちろん取り扱われる事が多いです。
BODYMAKER(ボディメーカー)
20年ほど前、1999年から格闘技グッズの格安メーカーとして台頭してきたブランドですね。
アパレル業界で言えばユニクロのイメージです。
すべて他の老舗メーカーに比べて格安です。
安いのはもちろん有り難いですし、道具によってはほんとにお得です。
ただ、その反面やはり耐久性に劣るところもあり劣化が比較的早いですね。
辛口で言いますがヘッドギアなどはあまりおすすめできません。
大事な頭を守る物としてはお金を惜しまずウィニングにしましょう。
商品によってはこの重視する点を見極めて購入した方がいいですね。
パンチンググローブ:推奨
ボクシングの練習を始めるにあたってまず持っておきたいのはやはりパンチンググローブですよね。スタート時点でまず持っておきたいのはこのパンチンググローブになります。バンテージがなければ軍手をしましょう。
バンテージは拳を守るのに必要です。ただパンチ力が相当ある人が気をつけた方がいい事ですので初心者のうちはそこまで気にしなくてもいいかとは思います。もしボクシングを続けていけそうであれば早めに購入しましょう。やる気の向上にもなります。
こちらのウィニングのバンテージは巻くのが簡単ですし、拳の部分に緩衝材が入っているのでオススメです。
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パンチンググローブはジムで共有できる物でもありますので、必要に応じて購入していきましょう。
費用目安
5,000円-20,000円
パンチンググローブを購入する際に注意すべきポイントは、以下の3点です。
- 耐久性
- 鳴り
- 形
やはりウィニングはこの3点を満たしているかとは思います。
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スパーリンググローブ
質量(用途)
ボクシンググローブには、質量というものがあります。
基本的は、ラテン語の重さを表す単位の「oz(オンス)」で表される事になります。なかなか耳馴染みのない単位になりますが、ボクシングに取り組む際には必要な知識になりますので、覚えておきましょう。
そのグローブの「oz(オンス)」によって使用用途・目的が変わってきます。
oz(オンス) | 用途 | 質量 |
8から12 | プロの試合 | 軽 |
12から14 | 練習、スパーリング | 中 |
14から16 | 特に怪我に気をつける場合 | 重 |
ポイント
しかし、使用の用途は上記に限った訳ではありません。サンドバッグの練習にしても、薄いグローブを使う事によって、当たった時の音が鳴ります。良い音が鳴るということは単純に優れたパンチ、切れるパンチと思っていいでしょう。モチベーション向上にもなります。重いグローブは使う事で、腕や肩の筋力アップを狙ったトレーニング、もしくはスパーリングに近い練習にする事もできます。
初心者の対人練習などであれば、大きめの14,16オンスのグローブを使って、マススパーリング(軽い実戦)を行うと良いとは思います。
グローブは大きく分けてパンチンググローブかスパーリンググローブ
グローブの質量(オンス)が異なるのはスパーリンググローブです。これは試合でも使われます。そして基本的にはミットやサンドバッグなどを叩く用にあるのがパンチンググローブです。用途別にグローブを使い分ける選手もいますし、すべてスパーリンググローブで練習する人もいます。まず初心者のうちはサンドバッグやミット打ちの際に使用しやすい、パンチンググローブを1つ持っておく事がお勧めです。
鳴り
素人の方にはわかりにくいですが、ボクシングに慣れてくると、グローブに良い音(鳴り)、という事も求めてくるようになります。もちろん人にもよるとは思いますが、その「鳴り」に応じて、パンチのスピードやパワー、当たっている場所、自分のコンディションすら測れるものになりますので、あながち馬鹿にはできません。
グローブをある程度使い込んでくると、自分の拳にあった形に馴染んできて良い音がなるようにもなります。しかし、安いスパーリンググローブを使う場合は「鳴り」もそれなりです。
メーカー
ボクシングメーカーは、私が現役時代の頃に比べると、本当に増えたなという印象です。
私の頃は、世界に誇る日本のボクシングブランド「Winning(ウイニング)」という一択でしたが、今では、「WINDY(ウィンディ)」「BODYMAKER(ボディメーカー)」「アディダス」「VENUM」など多数のメーカーからボクシンググローブは販売されています。
「Winning(ウイニング):★★★★★」
ボクシンググローブですべての機能性において一番おすすめできるのは、やはりWinning(ウイニング)です。
費用目安
15,000円-20,000円
性能
価格相場 | 強度 | 鳴り | 向き |
高い | 強い | 良い | プロ、本格派、初心者 |
検討点
問題があるとすれば、高価な事もありますし、すべてが人気であるために、手元に届くまでかなりの時間を有する事です。
私も、過去何度もWinningの商品を購入していますが、基本的には1〜3ヶ月くらいの日数はみておいた方がよいでしょう。
購入方法
購入は、アマゾン・楽天などの有名インターネット通販で購入する事ができます。
また、直接ホームページから購入すると、名前入りで作る事も可能ですので、
せっかく購入するのであれば、そちらから頼むのもいいですね。
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WINDY(ウィンディ)
こちらはタイのメーカーですが、WINDYは安くて使いやすいのが特徴です。
個人的には価格面からみても、かなりおすすめです。
できれば紐付きを選びましょう。毎回きつく締めなくても手を出し入れしやすいぐらいに調整しておけば使っている時にそこまで脱げるものではないです。
マジックテープのモノだと例えばスパーリングした時にお互いの皮膚に擦れると擦り傷になってしまう事が多いです。
色は黒、赤、青、白、黄色などあります。
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保管方法
ボクシンググローブはしっかりと保管する必要があります。基本的には、風通しの良い日陰で保管するのが原則です。
ボクシンググローブを以下のような扱いをしていると、すぐにカビが生えたり悪臭を放つようになり、使い物にならなくなりますので、気をつけましょう。
グローブは洗わない、洗えない
ボクシンググローブは基本的には水洗いができません。ですので、汗の染み込んだグローブは大なり小なり確実に臭くなっていきます。ですので、使い終わったあとは濡れたタオルで拭くなど細かなケアが必要になっていきます。
マイボクシンググローブを持った際は以下の事に気をつけましょう。
カバンの中に入れっぱなし
練習終了後、カバンの中に入れっぱなしにしがちになりますが、これはやめましょう。家に持って帰ったらすぐにカバンからだして、風通しの良い日陰を意識して保管しましょう。明日もどうせ練習だし、とそのままにしておくと、どんどん寿命を縮める事になりますので、毎日の小さな事になりますが、意識しておきましょう。
雑学
プロのボクシンググローブって?
オンス、とは質量の単位の事を言います。
しかし質量と言っても体感はメーカーによって異なります。
例えば同じ16オンスであってもボディメーカーは固く薄く感じたり、ウィニングはクッションが効いている、などです。
メーカーによっても違うのでその見極めも必要ですね。
ヘッドギア
次に必要なのがヘッドギアですね。
費用目安
17,600円-42,900円
これは大事な頭を守るものなのでボクシングを続けていくのであればお金を惜しまないようにしましょう。
それはここでもウィニング一択ですね。
やはり衝撃の吸収感、そしてフィット感共にウィニングが優れています。
ウィニングのヘッドギアは大きく分けて3種類です。
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ワイドビュー¥19,800
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フェイスガード¥24,200
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フルフェイス¥42,900
私の価値観で申し上げますと、フェイスガードタイプがオススメです。
まずワイドビューが顔の前面がすべて開いている少し前のアマチュアの試合で使われていたヘッドギアです。
もちろん見通しはいいですが、初心者がつける、もしくはプロであっても怪我をする可能性が大きいですね。
練習は大きいグローブを使うものですが、それでも青タンや鼻にまともにもらうとダメージや怪我に繋がるでしょう。
次にフルフェイスですが、これはプロでも使っている人はたしかに多いです。
ですが、鼻の前にバーがある分、ギリギリで避けてもバーに当たってしまいます。
たしかに安全面では優れていますが、それでも顎の部分が一番さらけ出されているでしょう。
バーのある分、視界も良くないです。
フェイスガードの場合は頬が守られているので顎も守られる可能性は高いです。
それに実践に近い感覚で練習できるでしょう。見通しもいいですね。
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カッププロテクター
ボクシングはベルトラインよりも下を打つと反則になります。
金的を含め下腹部も守るのがこのカッププロテクターです。
よく間違えがちなのがファールカップですね。
ファールカップは金的のみを守るものです。
これはキックボクシングや総合格闘技で使うものになりますね。
ボクシングは特徴的ですが、このカッププロテクターを使います。
ただ、初心者のうちはそこまで必要ではないかなと思います。
というのもいきなり本気のスパーリングを行う事もなかなかないと思いますし、
私の経験上ではプロを目指して本格的にやる場合は必要だと思います。
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